海外「医道?それは武術なのか?」 ニッポンの「治療+まごころ」に世界が感動

新型コロナウィルス正念場

世界中に猛威を振るった新型コロナウィルス。世界各国で猛威をふるい、日本においても5月6日を期限に緊急事態宣言が出されており、四月末に感染拡大が収まって来たかに見えたが、5月1日の都内の新感染者数は165人と、再び増加に転じた。

未だ収束の兆しは見えないが、それでも患者数当たりの死者数で日本は世界で最も優れた数字を出している。これが海外で称賛されているのだ。

海外の声:ようやく新型コロナが収束してきたな。それでもまだマンハッタンは外出できる雰囲気ではない。一体政府は何をやっているのか!?(アメリカ)

海外の声:ニューヨークは感染のるつぼになったからね。ちなみにベルギーは死亡者率が世界一!(ベルギー)

海外の声:イタリアも死亡率高かったけど、ベルギーは医療崩壊でも起こしているのかい?(イタリア)

海外の声:アメリカもイタリアもベルギーも国民皆保険がないからな。やはりドイツが一番なり!(ドイツ)

海外の声:それなら日本のほうがすごいぞ! 国民皆保険で死亡率が世界一低い。(アメリカ)

海外の声:日本の医療技術は世界一だからね。真心のこもった治療をしてくれるようね。旅行中に母が手術でお世話になったけど、そのまま病院に住もうかと思ったよ(笑)(イタリア)

海外の声:日本には「武道」と同じく「医道」という考え方がある。日本の医療は、単なる治療行為ではなくて哲学なんだな。(ドイツ)

医道とは?

さて”医道”だが、この考え方は時の中国から伝来した医学が、日本の律令制度に組み込まれたことで生まれた概念だといわれている。刑法に当たる律と行政法の令、その両方が揃った日本最初の本格的な律令法である大宝律令に登場した『医疾令』が医道の生みの親。医疾令によって宮内省の中に典薬寮(くすりのつかさ)という、医療を司る機関が誕生する。典薬頭をトップに、技術官僚である医師、針師、按摩師、呪禁師で構成される典薬寮には、薬園の管理のほかに当時の「医療従事者の育成」という菫要な役割があった。特に学識があり技術優秀な人物のなかから医博士、針溥士、按摩博士、呪禁博士が任命され、その下には医得業生と呼ばれる”学生”たちが学んでいた。

後年には天皇に医療行為を行う内薬司が吸収される形で統合され、侍医、薬生、女医博士といった面々もこの一大医療機関に加わることになる。時代背景に正確を期すと少々複雑な話になってしまうが、重要なのは医療という概念が形成される段階の日本では、当時の身近な医療最先進国であった唐にならい、法律で役職を明確にし、その社会的意義を定着させた上で後進の教育制度も同時に整備した点だ。

典薬寮は医学、薬学における最先端の臨床現場であると同時に、教育機関としての顔を持つ、現代の大学病院と医学部のような関係性ともいえるようなシステムを構築しようとしていた。このシステム、またはそれを貫く哲学が”医道”として代々受け継がれてきた。当時は、最新医療を享受できる人はごく-部。医療に従事する人も世襄制が主だったため、典薬寮ではごくごく限られた人のための限られた人による医療という考え方に終始していた。だが、それでも医師の立場と專門知識、技能を学ぶ場として後世に残したものは大きい。

医は仁術

大陸から伝わった医学が日本ではどう育まれてきたか。“医道”が具体的に何を指すのかは、「道は名付けることのできないものであり、礼や義などを超越した真理とされる。天地一切を包含する宇宙自然、万物の終始に関わる道を天道といい、人間世界に関わる道を人道という」と老子もいっているように言語化するのは難しい。しかし、現代に残る医道の精神という意味では、江戸時代に盛んに使われ、現代では」|貫用句・ことわざにもなっている「医は仁術」という言葉が手がかりになりそうだ。広辞苑では「医は、人命を救う博愛の道である」と説明されている「医は仁術」という言葉だが、有名なのは福岡藩のお抱え儒学者だった貝貝原益軒が著した『養生訓』の一節だろう。

「医は仁術なり。仁愛の心を本とし、人を救うを以て志とすべし。わが身の利養を専ら志すべからず。天地のうみそだて給える人をすくいたすけ、萬民の生死をつかさどる術なれば、医を民の司命という、きわめて大事の職分なり」(貝原益軒『養生訓』)

『養生訓』にはそのほかにも、

「医とならば、君子医となるべし、小人医となるべからず」

「医となる人は、まづ、志を立て、ひろく人をすぐひ助くるに、まことの心をむねとし、病人の貴賎によらず、治をほどこすべし。是医となる人の本意也」

など医療従事者の心得となるようなものや、みだり「療術に習はずして、妄に薬を用ゆくからず」と、普遍的な医療の在り方への問題提起が含まれている。

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